みどりのぼうけん
登場人物:4人(男:0人 女:1人 不問:3人)
・碧 …不問
・手袋 …不問
・警官 …不問
・ママ …女性
碧 「君、一人なの?」
手袋「僕の言葉がわかるの?」
碧 「お友達は?」
手袋「はぐれちゃったんだ。いつも一緒だったのに。」
碧 「そっか……じゃあ、一緒に探してあげるよ!」
手袋「いいの?」
碧 「もちろん!”なさけはひとのためならず”ってパパが言ってた!」
手袋「ありがとう。君、名前は?」
碧 「みどり!ねえ、君のお友達はどこにいっちゃったの?」
手袋「確か、あっちの方。でもここからじゃよく見えなくて。」
碧 「じゃあ交番に行こう!こういうときは交番に行くといいってママが言ってた!」
手袋「交番?」
碧 「困ったときに行くと助けてくれるところだよ!行こう!」
手袋「ぐえっ、う、腕振り回さないで~!」
警官「どうしたんだい、君。迷子かな?」
碧 「僕じゃなくてこの子。お友達とはぐれちゃったんだって。」
警官「この子?……なるほど。ここにお友達は来ていないよ。」
碧 「そっか、ありがとう!」
警官「もしここに来たら教えてあげよう。お名前と電話番号聞いてもいいかな。」
碧 「笹山みどり!電話はわかんないや。」
警官「笹山。もしかして大地さんのお子さんかな。パパ、警察官だったりするかい?」
碧 「そうだよ!よくわかったね、すごい!」
警官「じゃあお友達が来たらパパに連絡を入れるよ。それまでお家で待っているといい。」
碧 「わかった!ありがとう!」
碧 「見つからなかったね。次はどこ探そうかなぁ。」
手袋「みどり、ありがとう。」
碧 「なにが?僕何もしてないよ?」
手袋「僕口下手だからさ。お話しするの苦手なんだ。」
碧 「なんだ、そんなことか!いいんだよ、こういうのは”てきざいてきしょ”ってパパが言
ってた!」
手袋「みどりは優しいね。」
碧 「そうー?えへへ。あ、公園!」
手袋「あそこ、行ったことある気がする。もしかしたらいるかも。」
碧 「行ってみよう!」
手袋「うん!」
碧 「うーん……いないなぁ。」
手袋「いたらすぐわかると思うんだけど……やっぱりあのお兄さんに任せて待ってた方がいい
のかな。」
碧 「確かに”かほうはねてまて”ってパパが言ってたけど……でも何もしないで待ってるの
もなぁ。へくしっ。」
手袋「大丈夫?やっぱり帰ろうよ。」
碧 「うーんでも……へくしっ、くしっ!」
手袋「寒くなってきたしお家で温まろう。それまでは、ほら。」
碧 「わ、手があったかい。」
手袋「こんな僕でも役に立ててよかった。」
碧 「えへへ、ありがと!」
手袋「どういたしまして。」
ママ「遅かったわね碧。どこ行ってたの?」
碧 「冒険してた!そしたらね。」
ママ「あら、それ!ママの手袋じゃない!どこで拾ったの?」
碧 「どこだっけ。忘れちゃったけど……お友達うちにいるの?」
ママ「お友達?……ああ、もう片方のことね。あるわよ。片方だけ落としちゃって困ってたの
よね。買ったばっかりだから買い替えるのも……って。見つけてくれてありがと。」
碧 「うん!どういたしまして!よかったね。」
手袋「ありがとう。まさか君のママだったとはね。」
碧 「びっくりだね!まさに」
手袋「”とうだいもとくらし”かな?」
碧 「すごい!なんでわかったの!」
手袋「君のママと一緒にいるときに聞いたんだ。」
碧 「えすぱーみたいだね!」
ママ「ほら、手洗ってきなさい。手袋は……一度洗濯しましょうか。」
碧 「うん!僕せんたく手伝う!」
ママ「そう?じゃあお風呂場で……電話。誰からかしら。」
ママ「はいもしもし。あ、先ほどの。はい、はい……。」
手袋「もしかして。」
ママ「ああ、それなら無事に。お世話になりました。旦那にも伝えておきます。はい、失礼し
ます。」
碧 「警官さんから?」
ママ「ええ、交番に行ったのね。言いつけを守れて偉い!」
碧 「えへへ!」
ママ「でも……まっすぐお家に帰ってこなかったのはだめよ!心配したんだから!」
碧 「ああ、ごめんなさい!」
ママ「なので、明日はおやつ抜きです!反省なさい!」
碧 「え、えええええええええ!そんなあああああああああああ!」
手袋「あははは!」