ワルと魔法使い
登場人物:4人(男:2人 女:1人 不問:1人)
・ゴロー …男性
・ナンバ …女性
・ヨイチ …不問
・ヒフミ …男性
ナンバ「7、8、9……一枚足りてないやん!んは~!また数えなおしかいな。ゴローどっかにほっぽったんちゃうんか?」
ゴロー「ああん?んなわけねーだろ。てめーこそしれっとネコババしてんじゃねぇのか?」
ナンバ「はあ!?そういうのなんちゅうか知っとるか?濡れ衣言うんやであほんだら。」
ゴロー「あ゛あ゛!?今俺様のこと単細胞の微生物野郎って言ったか?言ったよなぁこのくそアマ!」
ナンバ「言ってないわアホ!どないな耳してんねん。ああ、襟が伸びる!」
ヨイチ「ねぇねぇふたりとも~。ケンカしないでちゃんと探してよ~。3時までに郵便局さんに届けなきゃなんだから。」
ゴロー「ガキは黙ってろ!俺様はこいつをシメねぇと気が済まねーんだよ!」
ヨイチ「ぼくはガキじゃないもん。ヨイチだもん。」
ゴロー「揚げ足とるんじゃねぇチビ助!いいから黙ってろ!」
ナンバ「ちょ、ゴロー、しまっ……うぐっ!」
ヨイチ「ナンバおねーちゃん死んじゃうよ!放してよぉ!」
ゴロー「ああん?この程度でくたばるほどこいつはヤワじゃな……ナンバァ!?」
ナンバ「……ま、末代まで……呪ったる……ぐふぅ。」
ゴロー「おいこら死ぬんじゃねぇ!俺様を犯罪者にする気かこいつ……!」
ヨイチ「ナンバおねーちゃん……ぐすっ。ゴローくん、ヒフミおねーちゃんに言いつけてやる。」
ゴロー「おいこらやめろ!犯罪者よりもひどい目に合わせるんじゃねぇ!あんなゴリラに捕まったら俺様色々と失っちまうだろうが!何とは言わねぇけど!」
ヒフミ「あら~心外ね。私を何だと思っているのかしらぁ?ゴローちゃん?」
ゴロー「ひあああ!?突然出てくるんじゃねぇよ寿命縮むだろうが!!!!」
ヒフミ「まったく、なに騒がしくしてんのよ。せっかくのティータイムが台無しじゃない。」
ヨイチ「ヒフミおねーちゃんあのね、ゴローくんがナンバおねーちゃん殺しちゃった!」
ゴロー「ヨイチてめぇ!つかまだ死んでねぇだろ!息だってして……ねぇな。」
ヨイチ「ほらね~?ゴローちゃんがやったんだよ!」
ヒフミ「あらあら物騒ねぇ。救急車呼ばなくちゃ。」
ゴロー「いや、そんなの呼ばなくてもどうにかできるだろアンタ!」
ヒフミ「やあねぇ、頼み方がなってないわよ~?助けてください、でしょ?」
ゴロー「だ、誰がそんなこと言うかバーカ!」
ヒフミ「そ。じゃあアタシはAED持ってくるからアンタは心臓マッサージと人工呼吸してなさい。」
ゴロー「な!?なんでそうなるんだよ。俺様がそんなことしてやらなくても」
ヒフミ「自分の尻ぬぐいぐらい自分でしなさい。ヨイチ、救急車呼んで。」
ヨイチ「は~い!」
ゴロー「(この俺様が人工呼吸、だと?いやまあ緊急時だし俺様がやっちまったことだしケジメつけなきゃいけねーのはわかってっけど。でもよ、人工呼吸……いや、ビビってるわけじゃねぇ。こいつは蕪……もしくは南瓜だ。できる。俺様ならできる。いけ、いくんだ。これは人命救助、人命救助……。)」
ヨイチ「ゴローちゃん、やりかたわかんないの?」
ゴロー「るっせぇなわかるに決まってんだろ!!!!俺様だぞ!!!!」
ヨイチ「そうだね。ゴローちゃんはゴローちゃんだね。いい意味でも悪い意味でも。」
ゴロー「最後の言う必要あったか?」
ヨイチ「なんのこと~?それより、はやくナンバおねーちゃん助けてあげてよ!」
ゴロー「あ、ああ。わかってる………………なあ。」
ヨイチ「どうしたの?はやくしないと取り返し付かなくなっちゃうよ?」
ゴロー「お前もできるんだろ、アレ。貸しでいいからこいつ起こせよ。」
ヨイチ「無理だよ~。ぼくまだ見習いだも~ん。」
ゴロー「てめぇ……。」
ヨイチ「しょ~がないな~。ぼくもついていってあげるよ。だからね?ヒフミおねーちゃんにお願いしよ?」
ゴロー「……くそっ。」
ゴロー「おいこらヒフミ。AEDはどうした。」
ヒフミ「うちにそんなものないわよ。本気にしたの?馬鹿ねぇ……それで、ナンバちゃんの意識は戻ったの?」
ゴロー「……戻ってねぇよ。わかってんだろ言わせんな。」
ヒフミ「ふふふ、で?アタシに何の用かしら。」
ゴロー「白々しい態度とりやがって……いいか!これはお願いでも何でもねぇ!命令だからな!あいつを……アンタの魔法で、助けろ!」
ヒフミ「うーん。30点かしらね。」
ゴロー「なっ。」
ヒフミ「でも、いいものが見れたからおまけしてあげる。そこで指くわえて見学してなさい……っ!」
SE:魔法
ナンバ「……。」
ゴロー「おい起きろ。ナンバ。」
ヨイチ「ナンバおねーちゃん……?」
ゴロー「起きろよ。おい。」
ナンバ「……んん゛。」
ゴロー「ナンバ。」
ナンバ「んあ、ウチ、いつの間に眠って……っ!ゴロー?!ち、近い!」
ゴロー「え、ああ、わりぃ。」
ヨイチ「よかったぁ!いつものナンバおねーちゃんだ~!」
ヒフミ「ふふふ、」
ナンバ「な、なんやねん。ウチが寝てる間になんかあったん?ゴローも情けない顔しとるし。」
ゴロー「何もねーよ!つか情けないって何だ。俺様は情けなくなんかねぇ!このよだれたらし女!」
ナンバ「罵倒へたくそか!なんや今日はえらいキレがないなぁ。いや、キレ芸は炸裂してるんやけど。今朝もシール貼る台紙なくした言うて騒いどったし……あ!」
ヨイチ「あー!郵便局さん!」
ゴロー「ああ!?今何時だ!?」
ヒフミ「3時だけど……なによアンタたち。何か予定でもあったの?」
ナンバ「あーアカンかったかぁ……。あのなぁ、パンについてるシールためて応募しようとしてたんよ。せやけど、もう郵便局閉まってもうた。」
ヨイチ「あ~あ……サラダボウル……。」
ヒフミ「あら、もしかして川崎春のパンフェスティバル?アタシ応募したわよ。」
ゴロー「はあ!?聞いてねーぞそんな話!」
ヒフミ「別にわざわざ言うことでもないでしょ~?届いたらアンタたちに美味しいもの振舞ってあげる予定だったんだけどサプライズじゃなくなっちゃったわねぇ。」
ゴロー「おっさん……なんだよ、調子狂うじゃねーか。」
ヒフミ「誰がおじさんだって?(ド低音)」
ゴロー「俺様が悪かったです!!!!!」
ナンバ「ウチらのはだめやったけど、ヒフみんのがあるんなら問題ないな!は~なんや腹減ってきたわ。今日は……和食!鯖がええなあ!」
ヨイチ「ぼくゴーヤチャンプルーがいい~!」
ヒフミ「アンタたちは自分で作る練習しなさい。斬撃魔法と火炎魔法は教えたでしょ?処理班もいるんだし積極的に作りなさいな。」
ゴロー「おい、処理班って俺様のことじゃねぇよな?」
ヒフミ「アンタ以外に誰がいるのよ。胃袋でかいでしょ?」
ナンバ「せやせや!ヨイっちゃん、冷蔵庫見に行こ!」
ヨイチ「わーい!お料理の時間だぁ~!」
ゴロー「おいこら待て、やめろてめぇら。俺様はごみ箱じゃねぇ!」
ナンバ「なんや失礼なやっちゃなぁ。ヒフみんには勝てへんけど、美味いもん作ったるさかい。首と手洗って待っとって!」
ヒフミ「あらあら楽しみねぇ。じゃあアタシは出かけるから。あとはよろしくね。」
ゴロー「ヒフミてめー逃げんな!おい俺様もつれてけ!おいこら聞いてんのか!ヒフミ!ヒフミイイイイイイ!!!!!」