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タクシー

登場人物:2人(男:1人 女:1人)

・志野秋人 …男性

・八家和泉 …女性

志野「(その日は、今日とよく似て蒸し暑かった。学校から保育園へ妹を迎えに行って、途中でアイスを買い、半分こしながら帰った。玄関の鍵はなぜか開いていた。『帰ったよ。母さん。』呼びかけながら、恐る恐る廊下を進む。和室の前まで来て、障子の向こうに人影があることに気づいた。『なんだ、ここにいたのか。どうして返事してくれなかったんだ。』その問いはぬるい空気の中を虚しく漂う。誰に届くこともなく、ゆらゆらと。揺れていた。母の体が、部屋の中央で音もなく揺れていた。)」


SE:タクシーのドアを閉める音


志野「お客さん、行き先は。」
八家「……どこかいいところ、ないですかね。」
志野「聞かれても困りますよ。」
八家「近くでもいいんです。知らない土地に運んでください。」
志野「あんたの知らない土地って……自分じゃわかりませんよ。」
八家「適当に選んでください。貴方のおすすめの場所でもいいですよ。」
志野「もし知ってる場所だったらどうするんです?」
八家「そのときはまた違う場所に。料金は払いますから。」
志野「……無駄が過ぎないですか。」
八家「いいんです。知らない人と旅するのって楽しいですから。」
志野「連れていくだけしかできませんよ。」
八家「いいんです。」
志野「面白い話とか、できませんよ。」
八家「いいんです。」
志野「……発車するので、シートベルトを。」
八家「はい、ありがとうございます。」
志野「感謝されるようなことじゃないですよ。仕事ってだけで。」
八家「でも、貴方は我儘を聞いてくれました。それだけでは感謝する理由にはなりませんか。」
志野「……あんた、食えない奴だな。」
八家「はは。よく言われます。」


八家「貴方のこと、聞いてもいいですか。」
志野「……自分に答えられることなら。」
八家「どうして運転手に?」
志野「まあ、流れで。」
八家「夢だった訳じゃないんですか。」
志野「ええ、まあ。車は嫌いじゃありませんが、特にそういうことではなかったですね。」
八家「ほう。」
志野「……なんです。」
八家「いえ、お若いのになかなか様になっているものですから。」
志野「若いっつっても、もう30ですよ。」
八家「いえいえ、充分若いですよ。」
志野「お客さんは」
八家「え?」
志野「……いえ、なんでも。」
八家「私ですか。私は……いくつに見えます?」
志野「ずるくないですか、それ。」
八家「いいじゃないですか。外れても怒りませんから、ね。」
志野「……自分よりは年下に見えますが。」
八家「具体的には?」
志野「20代。」
八家「下一桁は?」
志野「そこまで言わなきゃだめですか。」
八家「だめですね。ほら、はやく。」
志野「……手、見せてください。」
八家「手?いいですよ。はい。」
志野「……28。」
八家「おお!正解です。」
志野「(ふう)」
八家「なんでわかったんです?」
志野「肌にハリがある割には、爪は短いし、化粧気もないな、と。」
八家「それだけで?」
志野「服装はラフですが、整っていますし、露出も抑えています。これだけで20代前半でないことはわかります。」
八家「貴方の20代前半のイメージとは一体……」
志野「学生でしょう。」
八家「職に就いてる人もいますよ。」
志野「でも、あんたは就いてないでしょう?」
八家「な、何故わかったんですか。」
志野「手。」
八家「手、ですか?」
志野「家事を、してたんでしょう。毎日。」
八家「!」
志野「なんとなく、手つきでわかるんです。」
八家「……なにもかも、お見通しなんですか?」
志野「なんの話ですか。」
八家「私がここにいる理由とか。」
志野「……自分には、わかりかねます。」
八家「ふふふ。貴方は優しい人だ。」
志野「……」
八家「でも、なんでピンポイントに28ってわかったんですか?」
志野「それは勘です。」
八家「…っくははは、なんだぁ、勘かぁ。」
志野「?なにかおかしいですか。」
八家「いや、探偵みたいだなって思っていたら、突然、勘ですって言われたので……思わず笑ってしまって、すみません。」
志野「?はあ。」
八家「ふふふ。」

 

志野「このあたり、知ってますか。」
八家「うーん。知らないかもしれません。あ、でもなんとなく見たことある気も。」
志野「どっちですか。」
八家「じゃあ、知ってます。」
志野「じゃあ、って。」
八家「ピンと来ないってだけで知ってはいるんですよ!たぶん。」
志野「……他当たります。」
八家「是非そうしてください。」
志野「降りたくなったら言ってくださいよ。」
八家「はい。」
志野「(暫く言わなそうだな)」
八家「?」
志野「自分と話してて、楽しいですか。」
八家「すごく。」
志野「そうですか。」
八家「貴方はもっと、自分に自信を持っていいと思いますよ。」
志野「……気を付けます。」
八家「気を付けますって、そんな気負わなくてもいいのに。」
志野「気にかけていないと、ないがしろにしてしまいそうで。」
八家「真面目な人。」
志野「あんたがいうなら、そうなんでしょうね。」
八家「買いかぶりすぎですよ。私なんかに。」
志野「そんなことないです。」
八家「はは。ありがとうございます。」
志野「……素直なようで本心は口に出さない。」
八家「?」
志野「我儘とか言った割には、謙遜するし、よくわからないな。あんたって人は。」
八家「充分わかってるじゃないですか。それが今の私の全てですよ。」


八家「あ、雨。」
志野「降ってきましたね。」
八家「参ったなぁ…傘持ってないのに。」
志野「貸しましょうか。」
八家「いや、大丈夫です。雨に濡れるのもたまにはいいかなと。」
志野「風邪ひきますよ。」
八家「ひいても困るのは自分ですから。」
志野「それは、そうですが。」
八家「心配してくれるんですか?」
志野「まあ。」
八家「ふふふ。嬉しいです。」
志野「……。」
八家「誰かに心配して貰えるのなんて、これが最後かもしれません。」
志野「……」
八家「……なにも、聞かないんですね。」
志野「何を。」
八家「私のこと。」
志野「聞いて、欲しかったですか。」
八家「……」
志野「どうして、自分に聞いて欲しいんですか。他にも友人とか親戚とか、いるでしょう。」
八家「みな、縁を切りました。」
志野「……なぜ、自分に。」
八家「私の相手をするのは嫌ですか。」
志野「そういうわけじゃ。ただ」
八家「……」
志野「ただ、あんたに踏み込むのは、少し苦しい。」
八家「苦しいのは嫌?」
志野「はい。でも、そんな自分を見てあんたが苦しむのは、もっと嫌です。面白がる、というなら話は別ですが。」
八家「……」
志野「もう一度聞きます。どうして、自分を選んだんですか。」
八家「不器用だから、かな。」
志野「は……」
八家「嘘を吐けない誠実な貴方なら、ちゃんと受け止めてくれるんじゃないかって。そう思ったんです。」
志野「そんなこと、こんな短い時間でわかるんですか。」
八家「貴方が私のことを理解しているのに、私が貴方のことを理解してない訳はありません。」
志野「ポジティブなのかネガティブなのか」
二人「「よくわからないな。」」
志野「……」
八家「ね?」
志野「……そうですね。」


志野「あの、右ドアのポスト見てもらえますか。」
八家「ここですか?……あ、何か入ってます。」
志野「それ、よければ使ってください。」
八家「手袋……ですか?」
志野「ええ。」
八家「袋、開けていいですか。」
志野「どうぞ。業務用の白手袋ですが。」
八家「いえいえ、いただきます。」
志野「それなら、隠れるでしょう。」
八家「何がですか?」
志野「……言わせないでください。」
八家「ははは。冗談ですよ。」
志野「(冗談に聞こえない)」
八家「……気づいてたんですね。指輪の跡。」
志野「手、見ましたからね。」
八家「はは、確かに。どうです?似合います?」
志野「ええ、まあ。」
八家「む、自分の方が似合ってるからって、反応薄すぎませんか。」
志野「薄くないですよ。普通です。」
八家「ほらー似合ってるのは否定しないー。」
志野「あんたが様になってるって言ったんじゃないですか。」
八家「うっ。」
志野「なに子供みたいな茶化しかたしてるんですか。頭弱そうに見えますよ。」
八家「うぐっ……そ、そうね。」
志野「……ふっ。」


志野「なんですか。じっと見て。」
八家「いや、あまり笑わないなぁと思って。さっきの『ふっ』っていうのしか笑ってるの見てないですし。」
志野「ちゃんと笑ってるじゃないですか。」
八家「もっと大笑いしないんですか?」
志野「大笑い、とは。」
八家「こう、うわはははっとか。」
志野「しませんよ。必要ないので。」
八家「表情だけじゃなく考え方まで無愛想ですね。」
志野「失礼なことを結構平気で言いますよね。」
八家「だって、勿体ないじゃないですか。もとはいいのに。」
志野「はぁ。」
八家「……もとがいいっていうのは否定しないんですね。」
志野「否定するほどの不細工ではないので。」
八家「ほう。」
志野「まず、興味がないです。」
八家「何にですか?」
志野「自分の容姿に。」
八家「勿体ないなぁ。」
志野「それを言うならあんたの方でしょう。勿体ないのは。」
八家「私?またどうして。そんなに整った顔してます?」
志野「あんたの方が自覚ないじゃないですか。」
八家「ねえ、どうなんですか?」
志野「何が。」
八家「私の顔、どう思います?」
志野「前言撤回。自覚しかないですね。」
八家「ないから聞いてるんです!ほらほら。」
志野「……綺麗ですよ。」
八家「具体的には?」
志野「自分で遊んでませんか。」
八家「遊んでなんかないですよ。ただ恥じらって欲しいだけで。」
志野「それを遊んでるって言うんですよ。」
八家「頬を染めるぐらいしてもいいと思うんですけどね。」
志野「まあ、恥じらう要素ないですし。」
八家「私の顔は魅力的でない、と?」
志野「どうしてそうなるんです?」
八家「だって恥じらう要素がないって言ったじゃないですか。」
志野「綺麗な人を綺麗だって言うのに恥じる必要はないでしょう。」
八家「……」
志野「どうかしました?」
八家「いや、あの……ふ、ふふふはは。」
志野「どうしたんですか急に。そんなに面白いこと言いましたか。」
八家「……心臓に悪いなぁ。」
志野「え、なんて?」
八家「なんでもないですー。」
志野「?」


八家「それにしても、今日は蒸し暑いですね。」
志野「腕捲りすればいいのでは。」
八家「服が張り付いて上手く捲れないんですよ。」
志野「手伝いましょうか。」
八家「運転中ですし、いいですよ。」
志野「そうですか。」
八家「もうちょっと残念そうにしてくださいよ。」
志野「え、どうしてですか。」
八家「どうしてって……そういうものでしょう。」
志野「そういうもの、ですか。」
八家「そういうものです。」
志野「気を付けます。」
八家「ぷっ、はははっ。いや、冗談ですよ。」
志野「え。」
八家「ちょっと甘えてみただけです。」
志野「さっきの甘えてたんですか。」
八家「気づいてなかったんですか。」
志野「鈍感なので。」
八家「自分で言いますか。」
志野「自覚はありますから。治そうとはしてるんですけど、どうにも。」
八家「今のままでいいと思いますよ。可愛いので。」
志野「複雑なんですが。」
八家「褒められてるんだから、喜んでいいんですよ?」
志野「そういうものですか。」
八家「そういうものです。」
志野「……からかってますよね。」
八家「ちぇ。」
志野「無意味に人を馬鹿にしていると、嫌われますよ。自分も含め、大勢の人間から。」
八家「怒ってますか。」
志野「ええ、まあ。」
八家「……ごめんなさい。」
志野「……」
八家「……」
志野「……こっちこそ、すみませんでした。さっきのは」
八家『冗談です。』
志野「……気付いてたんですか。いつから。」
八家「最初からですよ?」
志野「……」
八家「お、今度こそ怒ってます?」
志野「別に。」
八家「え、ちょ、怒ってますよね?ねぇ、ねぇ!」


志野「馬鹿はこのくらいにしましょう。ほら、着きましたよ。」
八家「どこです?ここ。」
志野「それ自分が言っちゃだめなんじゃないですか。」
八家「あ、それもそうですね。」
志野「……」
八家「んー。そっか。まあ、知らない場所ですけど。」
志野「歯切れ悪いですね。」
八家「ここ、テーマパークですよね?」
志野「ええ。そうですが。」
八家「次いきましょうか。」
志野「え、どうして。」
八家「だって、看板でわかっちゃったんですもん。それじゃあつまらないでしょう?」
志野「はあ。」
八家「お願いしまーす。」
志野「……はい。」
八家「ははは。すみませんね。我儘ばっかりで。」
志野「次は着く前に目隠しでもしたらどうですか。」
八家「どうやって車から降りるんです?」
志野「自分が誘導しますよ。」
八家「ほう、それはいいですね。ただ……端から見たらすごく怪しくないですか?」
志野「やめましょうか。」
八家「賢明な判断ですね。まあ、私は構わないんですけど。」
志野「……あんた、なんでそんなに自分を大事にできないんですか。」
八家「そうですか?これでも自分のことはそこそこ好きなんですけどね。」
志野「そういうことじゃなくて。」
八家「どういうことですか?」
志野「自分みたいなよく知りもしない奴の車に乗って、目隠ししてもいいですよって、ちょっと無防備すぎやしませんか。」
八家「そうですか?」
志野「もし自分がドライバーに扮した犯罪者だったらどうするんですか。」
八家「ふふふ。犯罪者はそんな心配しませんよ。」
志野「あんたなぁ。」
八家「すみません。笑い事ではないですね。」
志野「はあ。とにかく、もっと自分を大事にしてください。」
八家「でも私、貴方にならなにされてもいいって思ってますよ。」
志野「……どういう意味ですか。」
八家「そのままの意味で……うわっ!?」


SE:衝突とブレーキの音


八家「ちょ、急にブレーキかけないでくださいよ。着いたんですか?」
志野「……いえ、事故です。二両前の車にトラックが突っ込んだみたいですね。」
八家「れ、冷静ですね。」
志野「何度か見ているので。」
八家「そうですか……そんなに派手にぶつかった訳じゃなさそうですね。」
志野「ええ。あの様子なら軽傷で済むでしょう。」
八家「そっか。よかった……。」
志野「……もしあれが事故ではなく故意に起こしたものだとしたら。」
八家「え?」
志野「あの車に乗っていたのがあんたと自分で、わざと轢かれにいったかもしれないってことです。」
八家「そんなことしないでしょう?」
志野「あんたに自分のなにがわかるっていうんですか。自分が悪人じゃないっていう保証はないんですよ。」
八家「それは、そうですけど。」
志野「それとも、一度痛い目をみないとわかりませんか。」
八家「え、ちょ、どこいくんですか。」
志野「……」
八家「なにか言ってくださいよ。」
志野「あんたが、言うなって言ったんでしょう。」
八家「言いましたけど、ねぇ!」
志野「少し黙ってください。」
八家「嫌です。なんで怒ってるんですか?教えてください。私にはわからないんです。」
志野「……」
八家「ねぇ。」
志野「……話したって、わからないでしょう。あんたには。」
八家「そんなの、話してみなきゃわかりませんよ。」
志野「……着いたら、一から話します。ただし、聞いて後悔しても、知りませんよ。」


SE:車のドア閉める音


八家「ここは。」
志野「来たことありましたか。」
八家「……いいえ。」
志野「そうですか。」
八家「誰も、いませんね。」
志野「ええ。そういう場所ですからね。」
八家「……なんで、あんなに怒ったんですか。」
志野「……最初、あんたを見たとき、生きるのに疲れているってことはなんとなくわかったんです。だから、自分を大事にできないのも自暴自棄になっているから仕方ないのかと、思いました。」
八家「それなら、どうして。」
志野「あんた言いましたよね。誰かに心配して貰えるのなんてこれが最後かもしれないって。自分はずっと、その意味がわからなかった。でもさっき、あんたの真意に気づいたんです。」
八家「……」
志野「あんた、俺が運んだ先で死ぬつもりだったんでしょう。」
八家「……」
志野「……」
八家「……だめ、ですか。」
志野「本当に、死にたいなら止めませんよ。」
八家「……」
志野「本当に、独りで死にたいなら。」
八家「……わからないんです。これで最後の旅にしようって、思ってました。なのに、ずっとここに居たいって、ずっとそこから出たくないって思ってしまって。」
志野「あんたは」
八家「怖いんです。独りになるのが、怖くなってしまったんです。」
志野「……あんたは、俺と話してて、楽しかったですか。」
八家「楽しかった。でも、楽しかったにしたくない。私はまだっ」
志野「……っ」
八家「!」
志野「……馬鹿だ。あんたは馬鹿だ。」
八家「……ごめんなさい。」
志野「でも、よかった。」
八家「え……」
志野「死に損ねてくれて、本当によかった。」


八家「よかったんですか?仕事放り出して。」
志野「いいわけないでしょう。」
八家「……ごめんなさい。」
志野「いえ、謝らせたかった訳じゃないんですが。」
八家「でも、迷惑を掛けてるのは事実ですし。」
志野「あんたが生きてるなら、それで充分ですよ。」
八家「……ありがとう。」
志野「いえ。」
八家「……」
志野「これからどうするんですか。」
八家「どうしましょうね。お金もないし。」
志野「あんた、乗るとき金は払うっていってませんでしたか。」
八家「ええ。私が死ねば保険金が入る予定だったので。」
志野「どうやって降りるつもりだったんですか……。」
八家「請求書貰って、後ほど払おうかと。」
志野「そんなシステムないですよ。」
八家「いやあ、困りましたね。どこで寝ようかなぁ。あ、車庫とか借りられませんか?寝るときだけでいいので。」
志野「だめに決まってるでしょう。そんなところ、宿直だって滅多に寝ませんよ。」
八家「そうですか……うーん。住み込みで働けるところあるかな。」
志野「……行くとこないなら、うち、来ますか。」
八家「え。」
志野「妹と二人暮らししてて。あいつまだ高校生なので、もしよければ面倒見てくれませんか。あまり構ってやれてないんです。」
八家「い、いいんですか?」
志野「ええ。」
八家「こんな見ず知らずの私に、大事な妹さんを預けるなんて。」
志野「嫌でしたか。」
八家「……嬉しいです。」
志野「じゃあ、行きましょうか。」
八家「あ、そういえばここって何なんです?結局よくわからなかったんですけど。」
志野「ああ、ここは昔の教会です。今は使われていませんが。」
八家「へえ、教会……えっ。」
志野「どうかしましたか。」
八家「え、あ、その、いやあなんでもないです……よ。」
志野「?」
八家「い、行きましょう!……あ、名前。まだ聞いてませんでした。」
志野「言われてみればそうですね。」
八家「私、八家和泉(やか いずみ)といいます。」
志野「志野秋人(しの あきひと)です。よろしく。」
八家「はい。よろしくお願いします、秋人さん。」
 

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