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​裏切りのバレンタイン

登場人物:3人(男:3人 女:0人  不問:0人)

・川本 …男性

・内藤 …男性

・須崎 …男性

川本「突然だがこの中に一人、裏切者がいる。」
内藤「急にどうしたん?バレンタインにチョコ一個も貰えなかったから頭おかしくなった?」
須崎「ブーメランを投げるな、ここにいる全員に刺さる。」
川本「それだよ!」
須崎「どれだよ!」
内藤「俺たちの中にブーメランを使う暗殺者が?」
川本「違うそうじゃない。バレンタインだ。」
内藤「バレンタインってなに?」
須崎「内藤、辛い気持ちはわかるが記憶からバレンタインを消すのはよせ。さっきまでバレンタインの話をしていたのはお前だ。」
内藤「俺、馬鹿だから…バレンタインとかわかんねぇけどよ…」
須崎「お前…いくら馬鹿だからって10秒前の事忘れるのは無理があるぞ。」
川本「茶番はそこまでだ。」
須崎「はじめたのはお前だろう?」
川本「実はこの中にバレンタインにチョコを貰った裏切者がいる。」
内藤「なん…だと…」
須崎「もうバレンタインの事思い出したのか、都合のいい脳みそだな。」
川本「偉く冷静じゃないか、須崎。俺らの中に裏切者がいるんだぞ?そう、このモテない男子高校生三人で結成されたMDK同盟の中にな!」
内藤「MDKとはモテない、男子高校生の、絆、の略だぜ!」
須崎「誰に説明してるんだお前は…というかいつそんな謎の団体に入れられたんだ俺は?」
内藤「忘れちまったのかよ?あの日桃の花の下でやったMDK桃源の誓いを!」
須崎「三国志ファンに怒られそうな誓いだなそれ。」
川本「落ち着け、二人とも。まだ確定したわけじゃない。」
内藤「そ、そうだよな…すまねぇ。俺、気が動転しちまって…」
須崎「一番落ち着いてないのは川本だろうが…」
川本「はぁ?、流石裏切者さんは言うことが違いますねぇ?」
内藤「な!?須崎っちゃんが裏切者!?」
須崎「お前は話の流れで予想しろよ…川本でもお前でもなかったら俺だろう。」
川本「ほう?随分余裕じゃないか?須崎く~ん?裏切者の分際で。」
内藤「そうだそうだ。まずは謝罪しろー謝罪!」
須崎「何に対する謝罪だ…」
川本「自分一人だけチョコを貰ったことに対するだ!」
内藤「ずるいぞー!俺も欲しいぞー!」
須崎「あのなぁ…」
川本「なんだ?言い訳か?聴いてやろう。」
須崎「言い訳もクソもないが?」
内藤「なんだー?開き直りか?」
川本「良い度胸だ。貴様には制裁を与えてやろう。」
須崎「いやそもそも俺はそのMなんたらという団体に入った覚えはないが?」
内藤「忘れちまったのかよ?一緒にモテないことを嘆いて食べたラーメンの味を!」
須崎「記憶をねつ造するな。そんな記憶も現実もない。」
川本「あの河原で殴り合った思い出も忘れちまったのかよ!」
須崎「だから記憶をねつ造するなと言っている。」
川本「はぁ…どうする?同士内藤。」
内藤「許されませんねぇ同士川本。」
川本「裏切者には制裁を!」
内藤「裏切者には制裁を!」
須崎「だからなぁ?」
川本「んー?なんだ裏切者。発言権をくれてやろう。」
須崎「あれな?姉に貰ったんだよ。」
内藤「あっ…」
川本「あっ…」
須崎「別にモテてたわけじゃないんだよ…」
川本「なんか…ごめんな?」
内藤「元気出せよ、な?」
須崎「うるさいよ、別に落ち込んでないわ。」
川本「ま、まぁこれで我々の中に裏切者は居なかったということで、ハッピーエンドだな!」
内藤「良かった良かった…最初裏切者がいるって言われたときは俺のことかと思っちゃったもんなぁ。」
須崎「ん?」
内藤「俺がチョコもらったのなんで知ってんのかーってびっくりしたもん。」
川本「おん?」
内藤「いやぁ我々の誓いは永遠ですな!」
川本「お…」
内藤「お?」
川本「お前が裏切者かぁー!!」
須崎「やれやれ…茶番だな……」

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