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​罪喰い×墓守の狗IF

登場人物:4人(男:2人 女:1 不問:1)

・シン  …男性

・バルド …男性

・レイ  …女性

・店員  …不問

シン 「(最近、カボチャの提灯をよく見かけるな。どこの民家にも置いてある。)」

SE:ぶつかる音

シン 「っと。すまない。」
バルド「ああ、ごめんねお兄さん。怪我してない?」
シン 「大丈夫だ。じゃあ。」
バルド「あー、待って。このあたりで女の子見かけなかった?」
シン 「女?」
バルド「長い髪の、気の強そうな女の子。背はこれぐらいで、すご~く可愛いんだけどさ。人ごみで見失っ……はぐれちゃって。」
シン 「さあ、見てないな。」
バルド「そっか。引き留めてごめんね。それじゃ。」
シン 「俺も一つ聞いていいか。」
バルド「え、なに?」
シン 「それ、どこで買ったんだ。」

 

 


(バルド「ああ、これ?そこの出店で買ったんだけど……え、初めて見るの?珍しいね。」)


シン 「べっくめなー、と言ったか。」
シン 「(不思議な形のパンだな。人間?干し葡萄を顔に見立てているのか。この短い管はなんだ?)」
シン 「……ふむ。うまい。」

BGM:がやがや(小さい音)フェードイン

シン 「(人が増えてきたな。子供連れ、提灯、出店……何かの祭りか?)」
シン 「(……喉が渇いた。調達ついでに尋ねてみるか。)」
シン 「失礼する。一番安い飲み物を……」
レイ 「ああ、これ頂戴。あとこれも。」
店員 「はいよ。3ユーロね。まいど。」
シン 「……。」

BGM:なし

(バルド「長い髪の、気の強そうな女の子。背はこれぐらいで、すご~く可愛いんだけどさ。人ごみで見失っ……はぐれちゃって。」)

BGM:もどる

レイ 「ありがとう。」
シン 「おい、お前……」
店員 「お待たせー。あんちゃん、注文は?」
シン 「え、ああ……飲み物、一番安いものでいい。」
店員 「はいよ。黒髪なんて珍しいね。東洋のお方?」
シン 「まあな。賑わっているようだが、今日は祭か何かか。」
店員 「収穫祭だよ。なんだ、訳も分からずベックメナーだけ買ったのかい?面白いねぇ。はい、まいど。」
シン 「……酒?」
店員 「ここらじゃ水より酒の方が安いんだ。あとこれ、オマケ。やるなら広いところで遊びなよ!」

BGM:フェードアウト

シン 「(おまけと言っていたが……何の液体だ、これは。ひとまず広場に出てみたが。)」
シン 「む。なんだ。何か浮いて……」
シン 「(……あれは、シャボン玉か。よく見るとたくさん浮いている。子供たちが遊んでいるのか。手に持っているのは……)」
シン 「……そういうことか。」

シン、息を吸い込んで、優しく吐く。

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